RACE REPORT
鈴鹿サーキット 2017.10.28〜29
全日本カート選手権 東西統一戦

全日本カート選手権もいよいよ最終戦。東西両地域を戦ってきたドライバーが一堂に会してチャンピオン争いを行う。舞台となる鈴鹿サーキット国際南コースは、適度なアップダウンや高速と中低速セクションがバランスよく配され、ワールドカップなど国際レースをはじめ様々なカテゴリーで名勝負を生み出してきたサーキットだ。
当初はドライコンディションでのレースが見込まれていたが、レースウィーク前半に発生した台風22号が秋雨前線を刺激しながら北上したため、土曜は終日レインコンディションとなる。 さらに日曜日午後、速度を上げた台風が鈴鹿に最接近。

コース上は豪雨により走行不能な状態となり、最初の決勝であるカデットクラスが赤旗で中断され、以降の全レースが中止された。
これにより大幅に変更となったのがシリーズポイント。Jrクラスとカデットクラスは予選ヒートの順位に対し決勝結果のポイントが付与、全日本KFクラスとFS125クラスは予選ヒートポイントのみが付与されることとなり、シリーズチャンピオンの行方に大きな影響を及ぼした。

全日本FS-125(56台)

東西両地域のドライバーが集結したこのクラスはシーズン最多の56台がエントリー。フルグリッド34台の鈴鹿では22人が予選落ちするという過酷なレースとなった。今年は両地域とも勝ち星が割れたため、チャンピオン候補は実に14人という異例の事態に。東西統一戦では決勝ポイントが1.5倍となり、予選ヒートポイントと合わせて最大で47.5ポイント獲得することが可能で、A TEAM Buzz Motorsportからは塩津佑介がトップと22ポイント差の5位、三島優輝が38ポイント差の13位でチャンピオン争いに臨んだ。ルーキーの松崎清悟もシーズン初の表彰台を狙う。

(土)公式練習抽選により3人とも1グループとなった公式練習はウェットコンディション。前週や午前中の練習走行で手応えを掴んでいた塩津佑介はグループトップの1.00.552を叩きだす。ニュータイヤで臨んだ三島は中々タイムが上がらずグループ9番手、松崎も「まだまだタイムが足りない」グループ15番手。

TT雨量が増える中でのタイムトライアルでは、三島がニュータイヤでの走り方に戸惑いながらも1.01.518と 「想定より上」のグループ6番手。松崎はセットを変更し手応えを掴んだが場所どりが悪く1.01.741で11番手、 アタック中にスピンを喫してしまった塩津はタイヤが冷えて再アタックしきれず1.01.856で12番手タイム。 2グループと合わせた総合順位は三島10位、松崎17位、塩津21位となった。

(日)公式練習 前日のタイムトライアル総合結果により、奇数順位の松崎と塩津が予選Aグループ、偶数順位の三島が予選Bグループに分けられた公式練習。Aグループの塩津は前日に引き続き1.01.671のトップタイムをマーク、予選での巻き返しに期待がかかる。松崎はタイムが伸びずセットを変更することに。Bグループの三島は雨量が増える中、他車と接触してタイムを伸ばせないまま走行を終える。

予選ヒート(12周) Aグループ・Bグループ共に予選を通過できるのは上位14台。各15位以降のドライバーはセカンドチャンスヒート(敗者復活戦)に臨むことになる。 Aグループは28台で、松崎は9番グリッド、塩津は11番グリッドからの出走。各車ヘビーウェットに足を取られて荒れた展開となる中、塩津は着実に順位を上げ、セットが合わず苦戦する松崎をパスすると5位でフィニッシュする。 「我慢のレースだった」という松崎は6位に入った。Bグループは27台の出走。5番グリッドの三島は4番手スタートのランキングトップ澤龍之介とバトルに入る。途中、後方から猛然と追い上げてくる新田渉にパスされ5番手フィニッシュとなるも新田はフロントフェアリングのペナルティを受けドロップ、三島は4位となった。 AグループとBグループの総合順位は三島が7位、塩津が10位、松崎が12位と、三人とも上位で予選を通過した。

決勝ヒートは台風接近のため中止となった。

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5 塩津 佑介選手

TT:総合21位
予選:総合10位

タイトラでの失敗は気持ちが沈みましたが、雨には自信があったし、日曜日での公式練習でもトップタイムが出せて、今回はいけるだろうと思いました。 予選はとにかく生き残ること、接触しないことを最優先に走行しました。 予選のセットはタイムが上がりづらい状態でしたが、後半で伸びてきて改善策は見いだせていましたし、決勝ではトップに立てる自信がありました。中止になったのはとても悔しい。チャンピオン争いがしたかったです。
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37 三島 優輝選手

TT:総合10位
予選:総合7位

前週の練習が大雨だったのでしっかり練習はできていました。ドライでは良くも悪くもなくという状態だったので、レインで自信を持って臨めたのは良かったです。 予選はペースがあまり良くない中でバトルをしていて、雨量が増えて後方も競ってくれたおかげで5位フィニッシュの4位と、展開にも恵まれてラッキーでした。 ただ、雨量が減った状態では速いドライバーに追いつけなかったので、今後ハーフウェット路面を勉強する必要を感じました。 今年は序盤での出遅れが残念ですが、上り調子で来られて去年よりも手応えがある一年でした。
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38 松崎 清悟選手

TT:総合17位
予選:総合12位

今回から使用フレームが変わり、X30エンジンで鈴鹿を走るのも初めてと、一からのレースでした。 ドライでは悪くなかったのですがレインになると速さが足りず、TTも場所どりが悪くて力を発揮できずじまいでした。 予選もこんな雨量は初めてで、前車を抜きはしましたがトップと比べたら遅かったですし、マシンを操りきれていないと感じました。 自分の力を100パーセント出し切れなかったのが敗因です。 TTの時のようなつまらないミスをなくさないといけないと思います。

2017年 FP-Jr(30台)

ランキング20位の鎌苅一希が参戦。今シーズンは表彰台まであと一歩の結果となっているが、最終戦で飛躍を遂げられるか。レインコンディションを得意とするだけに期待がかかる。

(土)公式練習1.09.090で25番手タイム


TTタイムトライアル2グループで出走した鎌苅は1.08.775をマーク。トップと0.230秒差の4番手につける。 しかし、全体として1グループが優勢となったため、総合では13位となった。

予選ヒート(12周)13番手からスタートした鎌苅は得意なスタートを決めて一気にポジションアップ。2周目には第2集団5台の中でのバトルに入る。最終コーナーや1コーナーなどでバトルを制し、トップのスピンもあって5周目には5位に浮上、雨脚が強まる中でさらに前走者が次々にストップしたこともあり、7周目には4位、さらに10周目以降は3位争いを繰り広げて4位フィニッシュ。決勝に期待を抱かせる走りだったが、チェッカー後フロントフェアリングのずれで10秒加算のペナルティを受け、12位となった。

(日)公式練習降り続く雨がいったんやんだところでの公式練習はトップと1.018差、5番手タイムの1.08.976。

決勝ヒートは台風接近のため中止となった。

2017年 FP-Jr Cadet(34台)

フルグリッドとなったカデットクラス。予選落ちこそないものの、激しいレースとなることが予想される。木曜日入りした鈴木翼は、東地域のドライバーを意識しながら走行を重ねた。

(土)公式練習午前中の練習走行で「雨が降ったのでエンジン差も気にならなかった」という鈴木は、他のドライバーとペースを合わせて走行し手応えを掴む。
公式練習では単独で走行、ラインを変えるなど様々な試みを行った。
タイムは11番手の1.09.747。

TTセットは変えずに臨んだタイムトライアル。鈴木は水しぶきで前が見えず他のドライバーに ひっかかるなど苦戦しながらも、最後の1周で1.10.212を叩きだし1グループ6番手をマーク、 総合10位につけた。

予選ヒート(10周)雨の中34台が一斉にスタートした予選では、2周目の3コーナーからS字にかけて他車と数度にわたり接触し動けなくなりリタイア。決勝に追い上げを期すことになった。

決勝ヒートは豪雨により赤旗中断となり、当該レースは不成立、そのまま中止となった。

8 鎌苅 一希選手

FP-Jr
TT:13位
予選:12位

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14鈴木 翼選手

FP-Jr cadets
TT:10位
予選:リタイア

鈴鹿で初めての雨のレースだったので、スタートが怖かったです。決勝は追い上げようとしたところで赤旗が出て残念でした。今年はあまりいい結果は出せず、ポイントも少ししか取れませんでした。JAFのデリバリーエンジンでのレースは、エンジンが変わるとブレーキのタイミングも違うし、毎回どう乗ったらいいのか難しかったけど、参戦してよかったです。

長谷川謙一

長谷川謙一監督

今回、全日本の三人は木曜日から気合が入っていて良かったです。週末が雨だとわかっていましたが、ドライの走りで仕上がりも見せていたので心配はせずに臨みました。 塩津はTTで気負ってしまい後れを取ったものの、前週のヘビーウェットでの練習で自信もあったでしょうし、三島も上位争いをしていました。松崎は乗り慣れないフレームに苦労しましたが、三人とも決勝に向けてしっかり合わせられていました。チームとしては雨脚が強まり、ヘビーウェットになるのを待っていました。決勝にかけていたんです。天気には勝てませんが、決勝は本当に走りたかった、これは選手もスタッフもみんな同じ気持ちだと思います。
ジュニアの鎌苅は雨が得意なのに、何故かよくフロントフェアリングを落とすんですよね。 自分からぶつかることはないのに不意に接触してしまうのは、行かなくてもいいところで行っているということです。うまくいけばその後もノッていけますが、現状では速さに結果がついてきていません。フォーミュラで同じことをしたら大変なことになるわけですから、そのあたりを今後考える必要がありますね。
カデットの鈴木はいつになく調子も勢いもよく走ってくれました。鈴鹿に得意意識もあったんでしょうね。予選では足元を取られて、決勝ではさあ追い上げというところで赤旗が出てレース不成立でしたから消化不良だったと思いますが、速さを見せることもできてきたし、結果は伴っていないものの確実に身についてきたものがあります。勉強の一年としては何も言うことはありません。転戦への適応力などはまだまだなので、来年いい形でレースをしてもらいたいですね。
今年はドライバーも入れ替わり、チームスタッフをシャッフルするなど試行錯誤しながらのシーズンでした。 X30はいい体制を作れましたが、スピードがあっても思うようにいかず、取りこぼしや噛みあわないところもありました。何か足りない部分があるのでしょう。 本来ならチャンピオンを取れたシーズンだったのではと、改めてレースの難しさを感じています。 支えて頂いたスポンサー、関係者の皆様には心から感謝しています。来年はいいご報告ができるよう、チームの環境を一から見直し、体制を整えていきます。
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