RACE REPORT
中山カートウェイ 2017.5.20〜21
全日本カート選手権 西地域第2戦

5月21日、全日本カート選手権西地域第2戦が岡山県・中山カートウェイで開催された。
西地域屈指の老舗サーキットで、全長は740メートルと短めだが、全体にハイスピードな上、後半のテクニカルな複合コーナー区間はリズミカルにまとめていかなければならないコース。抜きどころは比較的少なく、タイムトライアルの結果が勝負の行方を左右してくる。

冬のように冷え込んだ開幕戦から2か月。例年「酷暑」のイメージのある中山は今年は第2戦と、昨年より3か月早い時期の開催となったが、レースウィークに入ると急激に気温が上昇。日差しも強く、土・日の最高気温が30度近くなるなど、中山らしい暑さとなった。

2017年 全日本FS-125(28台)

参戦ドライバーは開幕戦と同じ塩津佑介、三島優輝、松崎清悟。当初のエントリーより2台のリタイアが出て予選落ちがなくなり、フルグリッドでのレースとなる。開幕戦ではトップドライバーのフロントカウル脱落により繰り上がりで勝者となった塩津だが、得意とする中山で トップチェッカーを受けられるのか。

公式練習前日の抽選により、1,2組に分かれて走行。A TEAM勢はニュータイヤを履いて路面の感触を確かめていく。1組目出走の松崎は学校の定期試験のため練習走行ができておらず、これがレースウィーク初めての走行。ぶっつけ本番の状態ながらも好感触を得る。2組の塩津はグループトップタイムを叩きだした。

TT1組出走の松崎は、前走者とのマージンを取って単独アタック。「タイヤをうまく転がすというイメージをもって」臨むと中盤からタイムが上がり始め、前日から好調さがささやかれていた三澤拓真の30.296、山田杯利の30.363に続く4番手に浮上した。2組の三島は当初集団の中にいたが、間もなく前走者をパスして単独アタック、グループ5番手。塩津もマージンを取りながらアタックしたが、決めきることができない。路面コンディションの影響で全体的に1組のタイムが良かったため、総合では松崎が30.446で4位、三島が11位、塩津が15位となった。

予選ヒート(17周) スタート直後、フロントローのドライバーによる激しいバトルが勃発。4番手スタートの松崎は「抜くのが難しいコースなので、冷静に走ればついていける」と好ペースで走行していたが、序盤でノイズボックスが脱落、リタイヤを余儀なくされる。
塩津はスタートを決めるとフロントカウルの脱落がないよう守りつつ、第1集団に追いついて10位でチェッカー。スタートで3ポジション上げた三島は接触もあり11位となった。

決勝ヒート(30周) ポールスタートの山田が後続を引き離し、予選で後退した三澤が再び追う展開に。10番グリッドからスタートした塩津は「自信があった」スタートを含め序盤で一気に5台を抜き去り前を追う。予選では前走者を抜きながらもタイヤを温存していたという塩津は好ペースで前を追い、4位まで上がってフィニッシュ。タイムトライアルでの遅れを取り戻す追い上げとなった。
優勝は山田。決勝に向けセッティングを変更して臨んだ三島は中々ペースを上げられず13位。
最後尾28番グリッドから追い上げた松崎は16位となった。

SHIOTSU_y
5 塩津 佑介選手

TT:15位
予選:10位
決勝:4位

悔しいです。練習走行の段階から速さが足りませんでした。タイトラで出遅れて、予選でもタイムが伸び悩みました。 決勝は狙った通りのスタートで追い上げて上位争いができましたが、結果は不本意です。チャンピオンシップを考えれば4位のポイントが取れて良かったとは思いますが…。タイトル争いは山田選手が最大の敵になると思います。 次の神戸は去年にいい思い出(初優勝)もあるし、優勝できるようにがんばります。
MISHIMA_y
37 三島 優輝選手

TT:11位
予選:11位
決勝:13位

開幕戦ではトラブルが多かったので、今回は中山でのテストを増やして臨みました。サーキット入りするまでに時間を作って、マシンのメンテナンスも行いました。自分でメンテナンスすることで勉強にもなりましたし、モチベーションも上がり、余裕を持ってレースに取り組めたと思います。ただ、走るたびに変化する中山ならではの路面に苦労しました。 それまでに試していたことが使えず、乗り方もつかめないまま終わってしまいました。路面については、東西統一戦でOKクラスの走行と一緒になることもあり、変化も激しくなると思いますので、予想をたてて練習していきたいです。
MATSUZAKI_s
38 松崎 清悟選手

TT:4位
予選:リタイア
決勝:16位

今回は当日朝からの走行となったので、考えすぎず勢いで行こうと思っていました。タイトラでは思ったより上位につけられて驚きました。予選では冷静に走れば大丈夫だと思っていましたが、メカトラブルがおきて残念です。決勝ではシングルを目指して走りました。路面が急に変わり、4輪ともスライドしたり止まらなかったりと挙動が乱れて戸惑ってペースを上げられませんでしたが、全体的には自信がついたレースでした。あれこれ考えないでいけたのがよかったかもしれません。 もっと上に行けると、手応えを感じたレースでした。

2017年 FP-Jr(15台)

ドライバーは開幕戦で素晴らしい追い上げで4位に入賞した鎌苅一希。 中山カートウェイでは去年4位に入賞をしているだけに、2年目のレースに期待がかかる。

公式練習 「金曜日から好調だった」という鎌苅は、土曜日にはセッション3番手タイムを出し手応えを掴む。 日曜日の公式練習ではタイムを意識せず、ホイールやその他のセッティングを試していった。

TT集団から早々に抜け出した鎌苅。序盤からトップタイムを叩きだしていた前走者・野村勇斗の背中を見ながらアタックに入り、2番手タイムをマーク。そのまま坂上真海ら上位とのタイムバトルをしながらペースが上がってきたが、その矢先、最終セクションでチェーンが外れリタイア。トップは坂上の33.252。鎌苅は33.438で10位となった。

予選ヒート(17周)10番手スタートの鎌苅はスタート直後の2コーナーで前走者がスピン、急に低速になったところを後続車両に乗り上げられてしまう。 止まりはしなかったものの、集団から大幅に遅れて単独走行に。「セットが自分の乗り方と合っていなかった」とペースも上がらなかったため、予選はリタイアして決勝に備えた。

決勝ヒート(30周) 決勝は14番グリッドからスタート。慎重にスタートを決めて追い上げを始める鎌苅。しかし、前走者同士のバトルで失速した車両に接触してしまい、フロントフェアリングが押し込まれてペナルティを受ける状態となってしまう。しかし、そこから鎌苅は怒涛の追い上げを開始。中盤集団を次々にパスすると、上位争いに追いつかんばかりの勢いで6番手でチェッカーを受けた。 優勝は野村勇斗。鎌苅は10秒のタイムペナルティを受けた結果、13位となった。

2017年 FP-Jr Cadet(15台)

昨ドライバーは、キッズ時代からA TEAMで育成された、生え抜きの鈴木翼。 今年から参戦している鈴木にとっては初めての中山でのレースとなった。

公式練習 公式練習では、ラインやペースなどを確認しつつ走行。「あまりいい感じではなかったけど、タイトラ以降は上がれると思いました」と鈴木。

TT鈴木は集団の中でのアタックを選択。前走者を追いながら周回を重ねるが、集団トップのドライバーのタイムが伸び悩み、引っかかる形となってしまう。終盤に抜け出して単独アタックを始めるも、1周目はバランスを崩し、2周目も自己ベスト更新ならず、トップと0.362差の35.945で12位となった。

予選ヒート(10周)ポールポジションは宮島昊雅。セカンドスタートの田中風輝ら上位陣がバトルを展開する中、中盤もスピンで遅れるドライバーが出る。鈴木は一瞬そこに引っかかって遅れるも、その後着実に順位を上げ、終盤、前走者2台の接触コースアウトにより7位まで浮上した。

決勝ヒート(25周) 決勝では練習走行から好調の中村海斗がポールスタートから後続との差を広げてゆく。鈴木はスタートで仕掛けようとしたが抜ききれず、第1集団の最後尾10番手につけ、そこからは3台での7番手争いに入る。 優勝は中村。鈴木は中盤から思うようにペースアップできない状態に苦しみながらも、最後は一騎打ちを制して8位でチェッカーを受けた。

8 鎌苅 一希選手

FP-Jr
TT:10位
予選:リタイア
決勝:13位

手応えを感じていただけに、タイムトライアルは悔しかったです。予選も決勝も…。でも、決勝で当たったときに「もういいや」っていい意味でのスイッチが入って、フロントを気にすることなく走れたんです。あそこで当たっていなければここまで追い上げられたかどうかわかりません。 結果は仕方がないですが、自分の持つスピードは見せられましたし、自信を持つことができました。
SUZUKI_t
14鈴木 翼選手

FP-Jr cadets
TT:12位
予選:7位
決勝:8位

開幕戦の琵琶湖ではレンタルエンジンのスピード感がよくわからず戸惑ったので、今回はレンタルエンジンに似たエンジンで練習をするようにしたら大分慣れてきました。いけると思っていたので結果は悔しいですが、次回の神戸スポーツサーキットはシリーズ戦でも調子が良くて得意なコースですのでがんばりたいです。

山本龍司

山本龍司エンジニア

中山カートウェイは特殊なコースでセットも難しく、毎年苦労する傾向があります。今回も噛みあわせが悪いドライバーが多かったですね。
塩津選手は意気込みはあったのですが前日からスピードが足りていませんでした。タイトラの15位は実力です。 練習時に気が付いていれば、一歩速い段階から改善できていたのではと思います。良く追い上げたし、リザルトは最善。 今回がワーストと考えて向上してほしいですね。三島選手は海外のレースや鈴鹿選手権などで経験値を上げて臨んでいますが、コンディションにばらつきがあります。2年目なのでもう一歩抜け出せるはずです。気持ちを強くしてきっかけをつかんでほしいです。松崎選手は当日入りなのにタイトラ4位とよくパフォーマンスを発揮し、決勝でもぶつからずに頑張りました。課題もありますが、いいものを持っている選手だと思います。
鎌苅選手は一発の速さはあってもリズムのつかめないレースとなってしまいました。出足の悪さが全てに影響しましたね。 決勝では定評のある速さを見せられたと思います。鈴木選手は成長しましたね。路面の変化に対応しきれずムラはありますが、トップ6で戦える速さもみえました。この調子で最終戦までにいいところにいけるよう、どこまで成長させられるかがチームとしても問われていると思います。
今回は素晴らしい追い上げが見られたレースでしたが「追い上げて良かったね」ではダメで、最初から勝つことを前提に全てをシミュレートするのが大切です。勝つイメージがしっかりできていれば、もっと事前にできることもあったはずです。
勝てれば嬉しい、ではなく、勝つレースに臨む、という気持ちを持ったドライバーになってほしいですね。
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