RACE REPORT
琵琶湖スポーツランド 2017.3.25〜26
全日本カート選手権 西地域開幕戦

3月26日、全日本カート選手権西地域第1戦が滋賀県・琵琶湖スポーツランドで開催された。

5年目を迎えるATEAM Buzz Motorsportからは全日本FS125クラスに3名、JAFジュニア選手権FP-Jrクラスに1名、FP-Jr Cadetクラスに1名がエントリー。西地域シリーズ5戦の後、鈴鹿サーキットで開催される東西統一競技会で東地域のドライバーと戦い、2017年のチャンピオン及びランキングが決定する。

今シーズンの大きな動きとしては、西地域では開幕戦と第5戦に琵琶湖スポーツランド大会が2度設定されたこと、全日本FS-125クラスでタイヤの銘柄が変更となったことがあげられる。テクニカルな難コースのウェイトが高くなったことはルーキーにとっては厳しいが、タイヤ銘柄の変更は、継続参戦組にも新しいセッティングやタイヤの使い方を要求してくる。

また、全日本FS-125クラスとFP-Jrクラスには、今シーズンからフロントフェアリングについての新規定が設けられた。

レース後に取り付け位置がずれたり、外れたりしていた場合はペナルティが課せられるというもので、これにより、レース中の接触にはひときわ注意を払わなければならなくなった。
様々な要素が複雑に絡み合う中、各ドライバーがどのような走りを見せるのか注目されるところだ。

ここ数年、春先特有の不安定な気候に翻弄される展開が続いた開幕戦。今回もレースウィーク日曜日に雨の予報が出ており、ドライ・レイン双方の準備が必要とされた。当日の天候は曇りで、3月とは思えない冷え込みに。
午後の降水確率も高く、パドックでは雲の様子を見上げながらの作業となった。

2017年 全日本FS-125(36台)

このクラスには全日本2年目の塩津佑介が新たに加入。昨年は優勝を含む3度の表彰台でランキング5位を獲得したドライバーが、 エースとしてチームを引っ張っていくこととなった。同じく2年目となる三島優輝、昨年FP-Jrでランキング3位の松崎清悟がステップアップし、3台体制でタイトルに臨む。

公式練習フルグリッドを超えるエントリーがあったこのクラスはA,Bの2組に分かれて走行。 Aグループで出走した塩津はコーナーの旋回速度の向上、松崎は路面コンディションとハイグリップタイヤのマッチングを主眼に置いて走行する。Bグループの三島も、戸惑っていた新銘柄のタイヤの使い方に手応えを感じていた。

TTAグループで出走し、単独でアタックしていた塩津が41.216のトップタイムをマーク。トップ3を狙っていたという松崎は 「新品のタイヤを生かし切れず」41.512でグループ10位。Bグループの三島は単独でアタック、好感触でグループ5位の41.569を出す。総合ではAグループのタイムが優勢となり、塩津がトップ、松崎は12位、三島は17位となった。

予選ヒート(16周) ここまでに3台がリタイアした影響でグループ分けがなくなり、33台が一斉に出走した予選。地方選からのステップアッパー奥住慈英と津端剣心、初参戦の平良響らの3番手争いが激しくなる中、ポールスタートの塩津と2番手スタートの山田杯利が2台で逃げていく格好になる。

塩津は最後山田に迫られるも逃げ切り。スタートが決まったという三島は11位、ペースが上がらず苦戦した 松崎は15位チェッカーの後、フロントフェアリング脱落で10秒加算のペナルティを受け23位となった。

決勝ヒート(26周) 午後から降り出した雨のため、全車レインタイヤを履いての出走となる。新しく指定されたダンロップのハイグリップレインタイヤはほとんどのドライバーが未経験。どの位グリップするのか、どんなラインを走るべきか…。手探り状態でのスタートとなった。
2周のローリングの後、各車慎重にスタート。その直後から、ポールスタートの塩津と山田のデッドヒートが繰り広げられる。 まだタイヤが温まっていない状態での激しいバトルは数周にわたり、コーナーごとに仕掛けあいが続いたが、ここから抜け出した山田がそのまま逃げの体制に入った。序盤ペースが上がらなかったという塩津は、5番手からスタートを決め追い上げてきた平良につかれるも、最後まで隙を見せずに守りきり2番手チェッカー。
トップチェッカーの山田がフロントフェアリングのペナルティを受け4位となったため、塩津が開幕戦を制することとなった。 三島は序盤に数台をパスするも、中盤以降ペースに苦しみ9位、松崎は初めてのハイグリップレインに戸惑いながらも順位を上げて13位となった。

SHIOTSU_y
5 塩津 佑介選手

TT:1位
予選:1位
決勝:1位

このチームに加入でき、大変いい環境の中でレースができることに感謝しています。チームメイトとの比較検討で走りの幅も広がり、レースウィーク中も成長できました。 今回はしんどい展開でレースとしては負けてしまいましたが、雨のテストもできたし、次回からは周りを気にせずに自分の走りに集中して勝ちに行きます。 このチームを選んだのは、フォーミュラ部門があるからです。 今年は結果を残して全日本カート最後の年にし、フォーミュラへのステップアップを果たしたいと考えています。
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37 三島 優輝選手

TT:17位
予選:11位
決勝:9位

新銘柄のダンロップタイヤの感覚をつかめず苦労しました。TTでBグループだったとはいえ、スタート位置が悪すぎたのが敗因です。 オフシーズンにタイヤをうまく転がすことを重視したトレーニングをしたのですが、乗り方ばかりに気を取られていました。 次の中山でもスタート位置は重要なので、練習段階からタイムもしっかり意識していきます。タイヤが冷えている序盤でどれだけ上げられるかも課題ですね。 メンタルも強くして、全戦でポイントを取っていきたいです。
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38 松崎 清悟選手

TT:12位
予選:23位
決勝:13位

全日本を甘く見ていました。練習段階でタイムが出ていたので行けるかなと思っていたのですが、ドライバーのレベルが高くて、抜いていく隙がないんです。雨の路面では思ったよりグリップしなくて難しかったし、車を操れている感じがありませんでした。エンジンもハイパワーで、去年までとは全く違いますね。タイヤの使い方や体力面に不安はありませんので、次はタイムを出すだけではなく、ロスのない抜き方を研究して臨みたいと思います。

2017年 FP-Jr(18台)

昨年、雨のフェスティカサーキット瑞浪で一勝を上げランキング8位になった鎌苅一希が、FP-Jr2年目のシーズンに挑む。 西地域では昨年の上位ランカーがステップアップしたため、鎌苅が昨年の最上位ドライバー。タイトルへの期待がかかる。

公式練習 前日まであまりいい手応えを得られなかったという鎌苅は、セッティングを変えて公式練習に臨み、5番手タイムをマーク。 オフシーズンに力を入れたというコーナーリングの修正を確認しながら路面のチェックを行った。

TT集団の中でアタックを続けたタイムトライアル。「場所どりが悪くて前に詰まってしまいました。下がれば良かったのに、 焦ってしまって」と鎌苅。トップタイム橙侍槻と0.124秒差の45.166で6番手となった。

予選ヒート(16周)ポールスタート橙と、昨年のカデットクラスチャンピオン野村勇斗、伊藤琢磨、嶋田隼人という上位陣に鎌苅が追いつき、激しいバトルとなる。 残り3周からの息もつかせぬ攻防戦はファイナルラップまで続き、鎌苅は嶋田をかわして4位に上がりチェッカー。 その後のフロントフェアリング検査でペナルティを受け、13位となった。

決勝ヒート(20周) 完全なレインコンディションでの決勝は、オープニングラップ最終コーナーで4番手スタートの伊藤がスピン、2台が巻き込まれる。 これを避けた鎌苅は追い上げを開始、中盤のドライバーを次々とかわして浮上していく。すでに単独走行になっていた野村、嶋田、橙のトップ3には及ばなかったものの、最終的に4位までポジションを上げてチェッカーを受けた。

2017年 FP-Jr Cadet(13台)

昨年まで石野シリーズ等に参戦していた鈴木翼が、JAFジュニア選手権にステップアップ。 鈴木はATEAM Buzz Motorsportのカデットプログラム一期生の、生え抜きドライバーだ。

公式練習 昨年より継続参戦の中村海斗や田中風輝らがタイムを伸ばす中、前日からジュニア選手権でデリバリーされるエンジンに戸惑っていた鈴木。公式練習でも何とかその特性をつかもうと走行を重ねた。

TTジュニア選手権初参戦の加藤大翔が47.610でトップ、2位は洞地遼大と琵琶湖に習熟したドライバーが好タイムをマーク。「公式練習ではタイムが出ずに焦ったけど、TTでは速くなった」という鈴木は47.932で9番手につけた。

予選ヒート(14周)イン側スタートの加藤と中村、山口大耀が三つ巴に。中村が決勝ポールポジションを獲得する。 スタートが成功したという鈴木は順位を上げるも、その後ドロップし11番手に。「どうやって戻そうか、すごく考えました」と鈴木。

決勝ヒート(18周) 直前のレース中に降り出した雨により、タイヤの選択が大きく分かれたカデットクラス。 レインタイヤを選択したのは約半数。中村、山口など上位陣は軒並みスリックタイヤを装着しており、勝負の行方は路面コンディション次第となった。スタート後は完全にウェット路面となり、スリックタイヤ勢は次々と周回遅れでヒート除外となっていく。優勝は予選のドロップで12番手からスタートした洞地、2位はピットスタートの加藤。レインタイヤで出走した鈴木は10番手スタートからルーキー同士で競り合うなど気合を見せるが、中盤で消音機が外れるトラブルに見舞われ失格。悔しい開幕戦となった。

8 鎌苅 一希選手

FP-Jr
TT:6位
予選:13位
決勝:4位

タイムトライアルでセットが決まり、コーナーでも思い切りアクセルを踏めるようになったので、予選、決勝と追い上げました。 決勝では雨が降ってきたので楽になるんじゃないかと思っていましたが、想像以上に前が混乱していたので、チャンスだ!と早めに抜いていきました。今年は2年目だからチャンピオンを取らなくていはいけないという思いや、ぶつかったらフロントが外れて終わりだというプレッシャーが焦りにつながってしまった面があり、とても悔しいです。これからはきっちり優勝できるよう、気持ちを強く持っていきたいです。
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14鈴木 翼選手

FP-Jr cadets
TT:9位
予選:11位
決勝:失格

琵琶湖スポーツランドは合宿でも走っていて自信があったのですが、ジュニア選手権のエンジンになかなか慣れず、練習でもどうしていいかわからない時がありました。レースでは順位の上がり下がりが激しくプレッシャーも感じました。 これからはどんなエンジンでもちゃんと乗れるように努力していきたいです。

長谷川謙一

チーム代表 長谷川謙一

チームにとって久しぶりの全日本優勝で、素直に嬉しいです。塩津選手はTTから決めてくれましたね。彼はもう一つ上の領域に行けるドライバーだと思うので、今年はレースへの取り組み方など、フォーミュラに上がる下地を作るようにしていきます。
三島選手はスピードはありますが、考えすぎて今一歩弱い部分があるので、高いモチベーションと開き直りが必要かな。
デビュー戦の松崎選手は勝気がアダになりました。この結果を謙虚に受け止めてほしいと思います。
鎌苅選手はTTのポジションどりなど詰めが甘くてもったいなかった。すごく成長したし、スピードは問題ないので、勝つための細かい部分を追及してほしい。
鈴木選手は勢いのある選手ですが、まだまだ発展途上です。今年は取り組み方をしっかり学んでもらいたいですね。

今回は繰り上がりでの優勝ということで、チーム内に「レースでは負けていた」という危機感が出ました。シーズン序盤としては普通に勝つよりもよかったかもしれません。スケジュール的にギリギリで、テストが不十分だったのが反省点ですが、チーム体制を強化して、クルーの配置や役割に4輪のシステムを導入したのも効果を上げました。努力が報われましたね。
今年はタイトルを取りに行くと決めているので、幸先の良いスタートになったと思います。
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